どうも、太陽です。(No47)
「あの人ってどういう理由や動機であのような行動をするのだろう?」と思ったことはありませんか?
この記事では、人が行動を起こす要因を分析します。人の行動原理が分かれば、冷静に人の行動を受け止めることができます。あなたの気になる、あの人の行動原理を暴けるかもしれません。
この行動原理の記事は教育者は必須知識ですし、一般人にもかなり実用性が高い情報だと思います。人がある人の行動で悩むのは、その人の行動原理(理由や動機など)が分からないからです。
しかし、それが分かってしまえば、あとはその人に「どう指摘するか」または、直らない場合、「いかに離れるか?」という選択になります。または、職場などでどうしても離れられない場合、「表面的な無難な付き合い」をすることになります。
行動原理が分かっていれば、腹が立つ行動の人でもある程度、冷静に納得がいくでしょう。そういう意味で、人間関係の改善にかなり役立つ内容となっていると自負しています。
僕の理論で人の行動原理の5割以上を説明できると仮にすれば、かなり有用な情報になるでしょう。ちなみに、僕のこの記事は仮説であり、自己責任で使ってくださいね。
1 前置き (人の行動原理を知るにはその人が発しているシグナルを掴むべし&人の行動原理一覧)
人の行動原理を知るには、その人が発しているシグナルを掴むことは大事です。
シグナルとは
・学歴シグナル、
・経歴シグナル、
・しぐさシグナル、
・服装や外見シグナル、
・会話シグナル
など、多数あります。
行動原理もシグナルの例です。
この本で紹介する人の行動原理は、以下の通りです。
1 | 遺伝的動機。 |
2 | 社会的動機。 |
3 | 個人的動機。 |
4 | セルフモニタリング理論。 |
5 | 男女差による動機 |
6 | 兄弟構成など。 |
7 | その他。(生育歴、環境・状況、心理状態など) |
これら6つの要素で「人の行動原理の5割~7割以上は説明できるのではないか」と踏んでいます。
人間の行動原理は複雑なので、理論化するのはかなり難しいのですが、「理論化することで予測がつきやすくなったり、精度を上げることができるのではないか」と思います。
この記事では目的別に分けず、「あらゆる分野に通用する普遍的、汎用的な理論を構築しよう」という試みで書いていきます。
ただし、人間は、理論にこだわりすぎると、かえって柔軟な対処ができなくなる可能性があります。その点は気を付けた上で、理論はあくまで理論であり、柔軟な対応も大事にしてもらいたいと思います。
2 「遺伝的動機」(エニアグラム)
では書いていきます。
1番目は遺伝的動機です。
遺伝的動機には次の3つがあります。
1 | エニアグラム。 |
2 | 性格(ビッグファイブ。「誠実性」「協調性」「情緒安定性」「開放性」「外向性」の5つ) |
3 | 研究中。 |
まずは、エニアグラムからです。
以下の記事に書かれています。省略します。
「エニアグラムで人間関係を改善!人間の動機付けは人それぞれだ」 というタイトルです。

また以下の動画でも、エニアグラムが簡単に解説されています。
【エニアグラム】人間の性格は9種類しかない!?この知識で自分と他人への理解が深まる!
加えて、以下の記事にも簡単に紹介されています。
https://ananweb.jp/news/301738/
あなたは9タイプのうちのどれ? 「エニアグラム」で自己分析!
3 遺伝的動機。(性格)
・「性格」
性格も遺伝要素が高いので含めます。性格とは、ビッグファイブと呼ばれる5つの主要な因子に還元できると言います。
「誠実性」「協調性」「情緒安定性」「開放性」「外向性」の5つです。
1 「誠実性」
「誠実性」の高い人は大学生時の成績が良く、卒業もしっかりし、おまけに良い仕事に就きやすい傾向があります。
さらに、生活習慣が良いので健康になり、長寿と関係が深いそうです。欠点は誠実性の高い人は秩序だった予測しやすい環境下では力を発揮できるのですが、不確実な環境が苦手なことです。
不確実な環境下では、誠実性が低い人の方が変化に対応でき、分があるそうです。
2 「協調性」
「協調性」の高い人は、「感じがいい」と他者へ印象づけるときは有利ですが、組織内での成功とは関連性が低いです。
むしろ、給与を指標にした場合、協調性が高いことが逆効果、つまりパフォーマンスを低下させると言います。(男性に特に当てはまります。理由は協調性が高い感じのいい人は男らしさと矛盾するので、給与に反映されにくくなるからです)
もちろん、協調性が高くても、給与が高いケースはあるでしょう。大事なのは協調性が高すぎもせず、低すぎもしない中程度だと言えそうです。
協調性の低い人は自己主張が強いのですが、それは人間関係をおかしくしやすいです。(外向性が高い人も自己主張が強いですが、重要な物事を判別する能力があり、協調性の低い自己主張者はその能力が低いです)
協調性が高いと、喧嘩やトラブルなどに巻き込まれにくく、健康になりやすいそうです。幸福も協調性が高い人の方が味わっていますが、協調性が低い人は周りと協調していないときに幸福感を感じやすいです。
3 「情緒安定性」
「情緒安定性」が低い人は幸福度を感じにくく、ネガティブなので、結婚や対人関係が上手くいかず、さらに仕事の満足度が低く、健康状態もよくないそうです。情緒安定性が低い人はダメなのかといったらそうでもなく、危険察知力に優れています。
危険察知に優れているので、警戒心が強く、慢性的なストレスに悩まされやすいです。また、過敏のために不安や抑うつ、自意識過剰、感情的もろさなどが出てきます。
「危険察知能力が高いと、生き延びる確率が高い」という面では良い点です。情緒安定性が高い人は平穏な生活を送れますが、危機意識が低いのです。
誠実性が高い人は情緒安定性の高さと正の相関です。協調性と情緒安定性がどちらも低いと、他者との対立関係を生み出しやすくなります。
4 「開放性」
「開放性」が高い人は芸術や文化への好奇心が強く、エキゾチックな刺激を好み、世界を複雑なものとして捉えています。開放性が低い人は新しいことに挑戦したがらず、ルーティン行動を好み、エキゾチックな刺激に興味を示しません。
また、開放性が高い人(情緒安定性が低い人も同じ)は不安や抑うつ、ネガティブな感情を多く経験します。しかし、情緒安定性が低い人とは異なっている点が、ポジティブな感情も多く経験する点です。曲や絵画を鑑賞した際に、鳥肌が立つ人は「開放性が高い」と言えます。
5 「外向性」
「外向性」の高い人(外向型と以後、呼びます)は覚醒レベルが普段から低いので刺激を求めます。外向型とは逆の内向型は、覚醒レベルが普段から高いので刺激を避けます。また、内向型は(情緒安定性が低い場合さらに)痛みを強く感じます。
アルコールの飲み方でも、極端な反応がそれぞれで出ます。
外向型はアルコールを飲み始めの頃は覚醒レベルを下げて飲むごとに、どんどん覚醒レベルを下げます。(普段、覚醒レベルが低いのに、ますます下がるわけです)
内向型は普段の覚醒レベルが高いので、アルコールを飲むと覚醒レベルが下がり、ちょうどよい感覚になり、いつもより饒舌になったりします。
コーヒーの場合、アルコールとは逆で、外向型はカフェインによって調子が良くなり、内向型はパフィーマンスが下がります。
ほとんどの人は外向型と内向型の真ん中「両向型」に分類されます。両向型は普段から覚醒レベルが高くもなく、低くもない最適レベルです。
外向型は昔から「販売の仕事に向いている」と言われてきましたが、両向型の方が販売のパフォーマンスが優れているとも言われます。学校での成績では内向型の方が成績は良いです。(外向型と内向型でのIQに差はありません)
成績の違いは、学習環境にあります。外向型は刺激を好み、幼稚園での成績は外向型が高いのですが、小学校以降、刺激が少なくなるので、成績が振るわなくなるようです。
他に成績に与える影響として、外向型は短期的な記憶力がよく、内向型は長期的な記憶力が良い点があります。
さらに、「速度を上げると多くの仕事をこなせますがミスが増え、速度を落とせば達成量は減りますがミスがない」というトレードオフ(どっちも取れない)において、外向型は量を、内向型は質を取る傾向が関係しているのでしょう。
コミュニケーションにおいても、外向型は相手に接近し、大きな声で話し、ハグなどするのに対し、内向型は落ち着いていて控えめでハグなどもしません。
話し方では外向型は直接的で単純でわかりやすい言葉遣いをしますが、内向型は遠回しで曖昧な表現を好みます。外向型はずけずけとした物言いな傾向があり、同僚にも「はっきりとバカ」と言います。内向型ははっきりとバカと呼べる神経に呆然とします。
外向型は報酬の合図に敏感であり、物事のポジティブな側面に注目します。内向型は報酬に鈍感であり、逆に(情緒安定性が低い場合はとくに)「罰」に敏感に反応します。
性生活については、1ヶ月当たりの性交回数は内向型の男性は3.0回、女性は3.1回、外交型の男性は5.5回、女性は7.5回です。外向型の破天荒さに内向型は失望感を感じてしまうかもしれませんが、内向型は「量より質」重視派なのです。
プレゼンや緊張する場面のときは、内向型は覚醒レベルを下げないといけません。普段から高いのですから、刺激を避けて気持ちを落ち着かせるのです。
ちなみに「誠実性」「協調性」「情緒安定性」「開放性」「外向性」全ての因子が関係しているので、それぞれの組み合わせが異なれば、別の人となるとも言えます。組み合わせ次第です。
ビッグ・ファイブについては、withのアプリの「超性格分析」を利用してみると、面白い洞察や結果を知ることができるかもしれません。
また、以下のDaiGoのYouTube動画でも簡単に説明されています。
今まで知らなかった本当の自分に出会える方法
「性格スキル」という本もお勧めです。
もしくはビッグファイブを拡張した橘玲氏の理論ビッグ8がふんだんに詳しく解説されている以下の本が超絶おすすめです。
さて、「仕事2.0」からの引用・まとめです。(p183~186)
仕事のパフォーマンスと各因子の強さを見ると、「誠実性」「外向性」「情緒安定性」「協調性」「開放性」の順に強くなっています。
また、年間所得や学歴を高めるのが「誠実性」です。誠実性を鶴氏が定義したところによると、「野心を持って目標に向かって自分を律しながら、どんな困難があっても粘り強く責任感を持って努力していく資質」としています。
次に、仕事のパフォーマンスに影響を与えるのが「外向性」ですが、医者などのプロフェッショナルになると相関係数はマイナスになり、一方で営業職や管理職では「外向性」は相関係数がかなり高くなります。
このビッグファイブですが、子供時代でないと身につけられないと従来言われていましたが、「大人になってからでも伸ばせる」要素があることがわかりました。
「誠実性」「情緒安定性」「協調性」はいくつになっても人生を通して伸ばせます。(10代よりむしろ20代、30代での伸びしろが大きいようです)
また、「外向性」を「社会的優越」(自己主張が強い)と「社会的バイタリティ」(1人を好まず群れたがる傾向)に分けると、「社会的優越」は人生を通して伸びますが「社会的バイタリティ」は20代以降では低下していきます。
加えて「開放性」「審美眼」「好奇心」は20代以降は伸びません。芸術家に必要な審美眼は子供時代に美術館などに連れていってもらうことで伸びる面が大きいのです。以上、ここまで。
性格は遺伝的要素に入れましたが、変えられる要素もあるので、厳密には遺伝的要素じゃないでしょう。
とここまで書いてきましたが、DaiGoによると以下の結果だそうです。
協調性を科学的に上げる手法は見つかっていません。(これは「仕事2.0」という本とは真逆の主張です)
開放性もそれほど上がらないかもしれません。神経症的傾向(情緒安定性)と誠実性は上げられます。(これはDaiGoと同じ主張です) 付け加えておきますね。
DaiGoはビッグ5についての本格的な動画をバンバン挙げ始めまたので、紹介しておきます。
PART2に続きます。

ではこの辺で。(5411文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献
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